スラッシュ君
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第36回

<腐女子の欲望は不純だが、「男同士の純粋な友情」にはめっぽう弱い〜ドイツ・ワールドカップに憂う日本人男性の未来像>

 7月26日を最後にSTINGのVOICEコラムが終了した。

 毎回スラッシュ君のしょうもないヤオイ与太話をステキにまとめてくださったスタッフの皆様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。長い間お疲れさまでした。

 今後はスラッシュ君のプライベートサイトで細々と連載を続けていくことになるが、過去のバックナンバーも少しずつアップしていこうかなと思っている。今まで同様、よろしくお願いしたい。

 さて、今年の春、以前に同人誌を購入してあげたドイツのヤオイ漫画ファンの女子学生(注1)から久々にメールをもらった。

 両親がスペイン人なので正確にはスペイン人ということになるが、ドイツで生まれ育ったそうなので(注2)(おかげでスペイン語とドイツ語の挨拶はタップリ教えていただきました!)、ここではドイツ学生ということで話しを進めることにする。

ドイツ学生(以下「ド」)「厚かましいお願いですが、○○先生のサイン入り同人誌を購入したいのですが、お願いできますでしょうか? 友人のゲイ2人も大ファンなので……」

 近頃ではインターネットのおかげで海外からも手軽に同人誌が買えるようになった。だが、イベント会場で買うことができない海外在住ファンにとって、サインをもらうことだけは難しく、海外からたま〜にこういう相談メールが来る。

 たまたまその○○先生は、とあるハリウッド映画の原作コミック(主に男性向け)同人誌の執筆を計画中であり、スラッシュ君がその中の1エピソード(バイである主人公が男に愛されるという話)の翻訳を頼まれていたので、お願いしてみたところ、快く応じてもらうことができた。

 その翻訳だが、手伝ってくれていたアメリカ人が急に忙しくなり、疑問点が残ったままになっていたのだが、ドイツ学生の友人がゲイ=男ということで、ひょっとしたら原作の漫画を読んだことがあるのでは? と思い、尋ねてみたところ、

ド「友達の男の子が原作マンガのファンなので任せてください!」

 と心強い返事をもらうことができた。

 今年はワールドカップイヤー。開催国がドイツとあって、その後放映された試合の話で花が咲いた。
 

<サッカーが腐女子にオイシイ理由>

 腐女子が一番好きなスポーツはゲイと同じでアイススケートだが、サッカーもなかなか根強い人気がある。ゴールを決めたりすると選手たちが大喜びでハグし合う。抱き合っている男たちを大っぴらに見られるのだからこれはオイシイ。特にサッカーの場合、感情表現がオーバーで、その抱擁も他に類を見ないほどパワフルで熱い。ワールドカップが始まるにつれインターネットにはこの手の決定的瞬間をとらえた画像であふれかえる。最初のアニパロやおいジャンルがC翼こと『キャプテン翼』だったのもその辺に理由があったのかもしれない。

ド「確かにハグし合いながら飛んだり跳ねたり、キスしたり、体をバシバシ叩きあったりしてますね(笑)。現実のゲイ選手は大変そうですけど」 

 ゲイサッカー選手たちに取材したドイツサッカー雑誌の記事によると、男性的なスポーツである「サッカー」の選手は、周囲から伝統的価値観を強いられ、ゲイの選手たちは皆、妻子を持ち、自分の性癖を隠して生きていかなければならないという。

 映画「ブロークバック・マウンテン」ではアメリカの男らしさの象徴であるカーボーイをゲイとして描き、保守派の反感を買ったが(注4)、サッカーもなかなか大変なものがあるらしい。


<素直に自国チームを応援できないドイツ人>

スラッシュ君(以下「ス」)「君は(ドイツで生まれ育ったスペイン人だけど)スペインとドイツ、どっちを応援するの?」
ド「もちろんスペインですけど、ドイツにも勝ってほしい」
ス「スラッシュ君の周りはパツヨロ(金髪碧眼のヨーロッパ人)好きが多いから日本チームには興味がないんだけど(注5)、今回はトルシエ&フローランもいないし、何の面白みもないよ。ま、日本チームが勝てば、職場のオヤジたちがはしゃぐから、楽しみっていったらそのくらいかな(注6)」
ド「ドイツもね、素直に自国チームを応援できないんですよ。他の国々にナチスを思い出させてしまうから。ナチス問題に触れることはここでは『傷跡に塩を塗りこむ(like a hot needle that burns into the flesh=焼いた針を肌に突き刺す)』ようなものなのです」
ス「そうなんだ。日本に限らないと思うけど、若い人はナチスのカッコいい制服とかが好きなんで、いろんなところで目にするよ。ガンダムのジオン公国とか銀河英雄伝説の帝国軍とか。そういえばベンツ本社のマークもナチス本部のマークに似てるよなあ。威圧感があって。日本の金持ちとヤクザが偏愛するのもそのせいかと……」

 やおい同人誌でナチスのパラレルワールドものが書かれるのは、もはやお約束(本編の直江の衛士制服もカッコ良かった〜)。だが、早くにドイツで翻訳されたC翼同人作家出身である尾崎南のホームページやドイツ版のコミックスにあったハーゲンクロイツは十字架に修正されたと聞く。

ス「なので少なくとも腐女子はドイツファンだよ。日本のやおい文化はドイツ文学がなければ生まれなかったかもしれないしね」


<ヘルマン・ヘッセは「やおいの父」>

 やおい漫画のルーツである竹宮恵子や萩尾望都の美少年漫画の発生に大きな影響を与えたのが、当時、図書館でおおぴらに(ドイツの寄宿学校=ギムナジウムの)男子生徒同士のキスシーンが読めることで有名だった文学作品、『車輪の下』を書いたヘルマン・ヘッセだからだ。

ド「私もギムナジウムの頃、ヘッセ読みましたよ! 図書委員をやっていたので、トーマス・マンやゲーテなどの古典や現代文学を読み漁りました。でも日本人がそれほどヘルマン・ヘッセを読むとは知りませんでしたよ」
ス「今の学生はヘッセ、読むのかなあ。昔の日本は詰め込み教育だったから、猛勉強の末にギムナジウムに合格した主人公が、思春期の悩みと厳しい試験地獄に挟まれて、精神を病んでいく姿に共感できたけど……」
ド「ああ、それはドイツも同じです。ギムナジウムを卒業するのはいまだに大変ですが、教師の質は落ちてますし、学生も怠惰になってきています。失業者が多く、将来に希望が持てないことが大きな原因ですね」

 確かに最近の能天気なボーイズラブものを見るとヘルマン・ヘッセがルーツとはとても想像できない。

ス「そういえばアニメ『プリンセス・プリンセス』って知ってますか? 豊実琴役の声優、柿原徹也さんはドイツ帰国子女でギムナジウム出身なんですよ。時々インターネットラジオの『藤森学園AtoZ』の中でドイツ語を披露して、河野亨役の先輩声優である福山潤さんに華麗にスルーされてます(笑)」
ド「知ってますよ! 『プリンセス・プリンセス』、漫画も読みました。原作の漫画を描いたつだみきよさんの『続・革命の日』は早くからドイツ語に翻訳されていたので、ここでは有名な漫画家さんなんですよ」

 ドイツ学生によると、武内直子の『キャンディキャンディ』やCLAMPの漫画がドイツで翻訳され、その数ヶ月後に最初のやおい漫画、尾崎南の『絶愛―1989』『BLONZE』が翻訳されたそうだ。尾崎南がきっかけでやおい漫画にハマる西欧人は多いが、彼女もその一人だったわけだ。

ド「それから自分なりにやおい漫画についていろいろ調べました。数年前からは日本語版を輸入して買うようになりました。でも、なにせ出版点数が多すぎて、最新の市場についていくのは容易じゃないです。不可能に近い」
ス「あ、それは日本人も同じですよ(笑)」


<将来は限られた日本人しか『車輪の下』を読まなくなる?>

 勉強が厳しいギムナジウム。詰め込み教育時代の日本の学校に似ているが、ドイツ全体の教育制度となると、日本とはかなり違っている。

ド「ドイツの教育コースは3つに分かれています。まず7歳まで幼稚園に行き、次の4年間、グルントシューレ(基礎学校)へ行きます。その間の成績でどのコースに進むべきか先生が決めるのです」

1)あまり成績が良くないと「ハウプトシューレ(基幹学校)」(約4年間)へ。

2)中ぐらいの成績の人は「レアルシューレ(実科学校)」(約5〜6年間)へ。最低限仕事を見つけられる程度の知識が身につきます。

3)いい成績だと「ギムナジウム(大学進学校)」(約8年間)へ進学します。ギムナジウムの最終試験に通り、卒業できれば、どこでも働ける人材とみなされ(さらに職業専門学校へ行く必要はありますが)、さらに成績がよければ大学に行ける資格が得られます。

ス「じゃあ、ギムナジウム出身の柿崎君って優秀なんだ」

 中高一貫校を受験するために、日本では小学校の4年くらいから進学塾に行くが、ドイツでは塾に行く年齢で、上の学校に進学するか、就職するか、早々と決まってしまうわけだ。

 となると日本の一昔前、少なくとも戦後の教育システムというのは、

「全員がギムナジウムを目指す」

 システムだったということになる。

 早くから将来のコースが決まってしまうほうがかわいそうか、向き不向きがあるのに全員に受験競争を強いるほうがかわいそうか、今の日本はそれを選択する岐路に立たされているのかもしれない。

 さて、このドイツ学生、今年のお正月に日本公開されたドイツ映画『白バラの祈り』(原題『ゾフィー・ショル』)の「ショール兄妹」の名を冠した「ゲシュヴィスター(男女兄弟)・ショール・ギムナジウム(Geschwister-Scholl-Gymnasium)」出身だという。

 ナチス政権下、ミュンヘン大学生と教授によるレジスタンスグループ「白バラ」は反ナチスのビラをまき、ゲシュタポにより逮捕され、首謀者とされるハンス・ショルほか5名がギロチン刑に処せられた。ドイツにはこの兄弟の名前を冠した学校が190ほどあるそうだが、兄弟の勇気を今でも忘れないドイツ人は羨ましい。

ス「へえ。そんな勇気のある学生や教授がドイツにはいたんですね」
ド「全ドイツ人が目をふさいでいた中で『白バラ』の学生たちはナチ支配と戦いました。日本にもそういう女子学生がいませんでしたか?」
ス「ギロチンとか公開処刑はさすがにないけど、拷問されて命を落とした女子学生はいましたよ。相沢良(1910〜36)とか。もっとも戦前の東大には女性が入れなかったくらいだから、反戦女子大生そのものが日本には少ないかな。若くして亡くなった女性運動家には、高島満兎(1909〜33)や、田中サガヨ(1910〜35)、伊藤千代子(1905〜29)や、飯島喜美(1911〜35)などがいますが、今の日本の若者はほとんど知らないですね」
ド「それまたどうして?」
ス「戦前の反戦運動といったらイコール共産主義運動なのだけど、ベルリンの壁崩壊以降、日本共産党の人気は下降の一途をたどってしまったので、若い人の共感が得られにくいからです」

 当時の反戦運動は、今からするとかなり「パンク」な行動だ。卓越した描写力・演出力があれば今の日本でも『NANA』みたいな漫画やドラマにするのは可能だと思うのだが……。
 

<初戦が終わって>

 そんなことを話しているうちに、第1試合が終わった。

6月9日 ドイツvsコスタリカ……4 - 2 (開催都市:ミュンヘン)
6月12日 オーストラリアvs日本……3 - 1 (開催都市:カイザースラウテルン)
6月14日 スペインVSウクライナ……4 - 0 (開催都市:ライプチヒ)

ス「ドイツもスペインもまずは初戦勝利おめでとう〜」
ド「ドイツはパッとしなかったけどスペインはがんばりましたよ。日本は残念でしたね。オーストラリアに負けたんでしたっけ?」
ス「我が家ではヒディング監督、魔術師ヤン(注7)って呼ばれてるから(笑)。トルシエ・ジャパンの時は決勝まで行ったもんだから、『勝って当然』みたいな報道がされてたけど、娘の学校じゃ日本が勝つなんて誰も期待してなかったって」
ド「そりゃひどい(笑)」
ス「ジーコ監督は選手としては一流だったんだろうけど……」
ド「その点は国際的プレイヤーだったドイツのクリンスマン監督も同じです。カリフォルニアに生活の拠点があるせいか、試合後に休息日を設けたり、画期的な方法を導入しようとする意欲は認めますけど」
ス「クリンスマンのほうがずっといいじゃない。アシスタントのヨアヒム・レブが長身な黒髪で、クリンスマンが金髪でさ。今回一番のベストカップル、オランダのマルコ・ファン・バステン監督とアシスタントのヨン・ファントシップに次ぐ、ナイスカップルだってもっぱらの評判だよ」
ド「それは驚きませんね。ファントシップは本当ハンサムだから」
ス「スペインチームも若い子がいっぱいで羨ましいよ」
ド「第1戦でアラゴネス監督が国民的英雄であるベテランのラウル(29)を使わなかったのでみんなガッカリしました。チームのメンバーも皆、ラウル大好きなんで、チーム全体の士気まで下がりましたよ」
ス「前のシーズン、リアルマドリでの調子が良くなかったから妥当な起用かなって思ってたんだけど、大一番はやぱ、足立(注8)みたいなベテランなオヤジが必要なんだね。今回の日本チームにはいなさそうだケド」
ド「はい。ラウルはスペインナショナルチームの中で最も経験豊かですから。若い世代が次のスペインを担って行くんだってことは分かってるんですけど『古ウサギ(alter Hase)』のラウルを皆、そりゃあ頼りにしてるんです」

 日本でも『古狸』と言うが、あちらでも同じような言い方をするらしい。

 が、その後のフランスチームの大進撃から、その原動力がまさに、この「オヤジ力」であったことが判明する。
 

<ドローで終わった第2戦>

6月14日 ドイツvsポーランド……1 - 0 (開催都市:ドルトムント)
6月18日 日本vsクロアチア……0 - 0 (開催都市:ニュルンベルク)
6月19日 スペインvsチュニジア……3 - 1 (開催都市:シュツットガルト)

 「俺が俺がのオランダ」には負けるけど、いつも1つにまとまらないスペインチームも今回はめずらしくチーム一丸となってがんばっていた。ラウル出場がよっぽど嬉しかったらしい。一方、起死回生を狙う日本の2戦目は結局、ドローで終わった。

 ドイツ学生に「日本は決勝に進出できないのでは?」と心配されるのもおこがましいほど、スラッシュ君やまわりの腐女子は、『今度のブラジルには勝つ!』みたいな日本のマスコミの大本営発表報道に、ほとほとウンザリしていた。また、日本が誇る世界の中田(29)の試合直後インタビューの評判が、なぜか腐女子の間でよろしくなかった。

腐女子1「声が裏返ってた」
腐女子2「(負けた試合の時は黙っときゃいいものを)いっぱいしゃべってた」
腐女子3「だったらもっとピッチで目立ってほしかった」
腐女子1「豪州戦後、チームメイトに当たり散らしたらしい」
腐女子2「国内の若い選手らに煙たがられているのでは? 大丈夫なのかなあ」
腐女子3「日本に帰ってくる気がないんじゃない?」

 腐女子に好かれたところでこれっぽっちも嬉しくないだろうが、ラウルとのあまりの違いにスラッシュ君は一抹の寂しさを感じた。


<日本、決勝リーグ進出できず>

6月20日 エクアドルvsドイツ……0 - 3 (開催都市:ベルリン)
6月22日 日本vsブラジル……1 - 4(開催都市:ドルトムント)
6月23日 サウジアラビアvsスペイン……0 - 1 (開催都市:カイザースラウテルン)

 ドイツもスペインも順調に決勝へ進出。日本はくじ運の悪さもあるだろうが、トルシエ・ジャパンの時より悪い結果に終わってしまった。

 監督を決定できる立場にある人は「トルシエのように選手を徹底管理する指導方法ではサッカーみたいに選手の自主性が問われるスポーツでは頂点に立てない」なーんて言ってるようだけど「選手の自主性に任せるなんて、日本人には1000年早かったのでは?」とスラッシュ君はブーたれる。

 そして今回もナカタへの腐女子評は芳しくなかった。

腐女子1「試合直後芝に倒れ込んで起き上がれなかった」
腐女子2「インタビューで一人泣いてた」
腐女子3「(現地バスの中、試合に向けて士気を高めるべき時に、携帯ゲームに興じていた某選手を批判など)チームメイトに毒づいてた」

 負け試合でも萌えシーンが見られれば満足な腐女子たちにとって、今回のワールドカップの日本戦にはオイシイ場面があまりに少な過ぎた。チームをまとめあげる強い指導者がいればバス事件も起こらなかっただろうし、突出した国際級選手には実力に応じた厳しすぎるほどの要求を課し、若手選手たちの尊敬を集め、求心力を高めたハズである。負けた涙も場合によっては眼福になるのだが、そのためにはチームが一つにまとまっているのが大前提なのだ。 


<オヤジ三銃士、無敵艦隊を制す>

6月24日 ドイツvsスウェーデン……2 - 0 (開催都市:ミュンヘン)
6月27日 スペインvsフランス……1 - 3 (開催都市:ハノーバー)

 決勝トーナメント、スペインはフランスに逆転されてしまった。 

ス「スペイン、残念だったね」
ド「両親と見に行ったんですが、最後はもう散々な状態でした。アラゴネス監督の作戦はすべて的外れ。若手は混乱しまくりで、ママのいないヒヨコみたいに、闇雲にただ走り回るだけでしたよ(泣)」
ス「チケット買えたの?」
ド「街頭の大型スクリーンで見たんです。チケット、申し込んだんですが2回の抽選ともハズれてしまいました。なのに実際の試合では、スポンサー割り当ての席、空席が目立ってたんですよ」
ス「日本でも中国からチケットを買おうとした旅行代理店が入手できず、ツアーが中止になる騒ぎがあったけど」
ド「こっちでも貧しい国からオークションで買おうとする人がいっぱいいました。今の方式を続ける以上、仕方のない問題ですね」
ス「今回のフランスの活躍、朝日新聞は28日の夕刊の見出しで『オヤジ三銃士』って報じてたよ。アレキサンドル・デュマの」
ド「その小説は知ってます。フランス文学では『モンテクリスト伯』とかも有名ですね」
ス「日本人は『シラノ・ド・ベルジュラック』も好きかな。アニメの『厳窟王』は見た?」
ド「全部ではないですが、見ましたよ。ビブロスから出たアンソロジーも買いました」
ス「スゴーイ。じゃ、オークスのも読んでね」
ド「あ、そっちは知りませんでした。教えてくれてありがとう。で『オヤジ三銃士』ってどういう意味なんですか?」
ス「日本人なら誰でも知っているフランス文学のタイトルをもじって、『若くない=ベテラン・フランス選手、ジダン(34)、マケレレ(33)、ビエラ(30)の3人がチームを勝利に導いた』って意味。新聞を一番読む世代である日本の中年男性が励まされたって言いたいわけだね」
ド「なるほど」
ス「もっとも日本の中年は40代以上だろうから、一緒にすな! って言われるだろうけど(笑)」

 そしてそのオヤジ三銃士は前回の覇者ブラジルをも破った。

7月1日 ブラジルvsフランス……0 - 1 (開催都市:フランクフルト)
7月1日 イングランドvsポルトガル……0 - 0(1pk3) (開催都市:ゲルセンキルヘン)

 朝日新聞でトルシエが「優勝候補はドイツかフランス」と予想していたので、分かっている人には分かっていた結果なのかもしれないが、あのブラジルがフランスに負けた結果には驚く腐女子も多かった。

腐女子「なぜフランスだけがブラジルを攻略できたんでしょ?」
ス「ワールドカップが終わったら引退するって表明してるジダンのために、一肌脱ごうって、チームが一致団結してるかららしい」
ド「ジダンは本当にチームメイトに好かれています。ジダンがいるスペインのリアルマドリの選手たちもジダンのこととっても慕ってますよ」

 この「みんなでジダンに花道を飾らせてやりたい」というムードに、腐女子たちは「ジダンに人望萌え」した。


<萌える涙と萌えない涙の違いは?>

 そしてベッカムのいるイングランドもまたもや無敗のまま敗退した。ブラジルもイングランドも必勝を懸けて望んだだけに試合後は無念の涙を流し、それが案外、腐女子には評判が良かった。

腐女子「私の嫌いなベッカムがいるイングランドとロナウドがいるブラジルなんて消えてしまえ、って思ってたんですが、まさか本当になるとは! で、珍しくサンバリズムでないロナウジーニョの戦後インタビューを見て、初めてカワイイと思いました。イングランドのボロ泣きCBコンビ、テリー&リオといい、イカツイ野郎のしょんぼりモードはそれだけで眼福ですね」 

 イングランドは全選手が泣いていた。ジャイアンみたいな傍若無人ぶりが甚だしいフーリガンなイングランドファンも一緒に泣いた。そういう一体感にどうやら腐女子は弱いらしいのだ。 


<ナカタHPのうますぎる引退宣言文>

 準決勝が行われる直前の7月3日、ナカタが本人のオフィシャルHP『nakata.net』で突然、現役引退を発表した。

ス「ナカタって知ってる?」
ド「イングランド・プレミア・リーグの『ボルトン・ワンダラーズ』にいるヒデトシ・ナカタのこと?」
ス「そうそう。彼が自分のHPで引退発表したんだけど、彼一人が突出した選手だったから周りの腐女子にあんまり評判が良くなくって」

 「教科書で採用」と報じられるほどのスポーツ選手離れした雄弁な宣言文がこれまた腐女子には受けがワルかった。ジダンが引退後は「何も決めてない」とか「サッカーを少年に教えたい」と言っていたのに対して、ナカタは「自分探しの旅に出る」と発表、マスコミに「ハーバードでMBA取得、実業家に転進か?」と憶測されたことも、腐女子の萌え心にツケ入るスキを与えなかった。

 おかげで一時期、ゲイ説がささやかれていたこともあったのだが、腐女子たちは「ナカタさんがゲイでも嬉かないです」などと言い出す始末であった(本人にとってはイイことなんだろうけど)。

ス「やおいファンって男同士の純粋な友情が大好きなんだよね〜。腐女子の欲望は不純だけど(笑)」
ド「分かる分かる」 


<小さなワールドカップ。カーン様にドイツ国民も大マンゾク>

7月4日 ドイツvsイタリア……0 - 2 (開催都市:ドルトムント)

 腐女子が一番勝ってもらいたくない、こすっからいイタリアには、開催国ドイツもかなわなかった。6月30日の対アルゼンチン戦でMFのトルステン・フリンクスがアルゼンチン選手を殴り返したのをイタリアの新聞社に写され、殴られた方は「記憶にない」と言っていたにもかかわらず、出場停止になってしまったのだ。これには腐女子たちも「さすがだなー(イタリア)何でもやるなー」と、ますます呆れ返った。

 さぞドイツ人はガッカリしていることだろうと思っていたが、3位決定戦勝利で一気に沸き返ったそうだ。

7月8日 ドイツvsポルトガル……3 - 1 (開催都市:シュツットガルト)

ド「イタリアに負けて全ドイツ人がショボンとしてましたが、今は皆ハッピーです。こっちでは『小さなワールドカップ』って呼んでるんですよ!」

 大のサッカーファン、メルケル首相(女性)も大喜びで、クリンスマン監督に飛びつかん限りにメダルを掛けていた。

ス「日本もカーン様(37)ファンが多いから3位決定戦の結果を皆、喜んでるよ」
ド「本当? なんでオリーが日本で人気あるのですか? ドイツでも彼は依然として人気なんですけど」
ス「前のワールドカップでゴールを死守していた姿にやられました(笑)。たった一人で黙々と。にわか主婦ファンとかが巷に溢れちゃって。カーンって性格は暗そうだけど、日本人って、ああいう『男は黙って……』ってタイプが好きだから。ま、女の人っておしゃべりだから、聞き上手に見える無口な男が好きっていうのがあるんだろうな(注9)」
ド「そうそう。『サッカーを無失点で切り抜ける(keep clean shee)』という言い方をもじって、カーンは『孤独な獅子は自分の檻に誰も寄せ付けない(lonely lion, who keeps his cage clean)』って言われてます。彼が今回のワールドカップで控え選手に決まった時、ドイツ人は皆、ガッカリしました。ワールドカップに参加しないのでは? って案じられてましたけど、カーンは出場を快諾、控えに甘んじたのには皆、驚きました」

 3位決定戦、正GKのレーマンも「是非、カーンにGKを」と言ったとか。

 泣かせる萌えさせる話が満載で羨ましいよ。

 もっともスラッシュ君もワールドカップ期間中はあちらこちらからトルシエ・フローラン話(注10)を耳にすることができて、ちょっとは気が晴れた。特に7月8日の朝日新聞オピニオン欄に載ったフローランの「日本サッカー協会会長に立候補します」(注11)は笑えた。こんなにも萌えないワールドカップ日本選の戦犯に一矢報いてくれたからだ。

ス「スラッシュ君にとっての『小さなワールドカップ』ってとこかな」
ド「あはは」


<差別口撃に切れたジダンにますます萌え>

7月9日 イタリアvsフランス……1 - 1 (5pk3) (開催都市:ベルリン)

 腐女子たちの願いも届かず、イタリアの卑怯な挑発行為に乗ってしまったジダンは頭突きで退場。フランスは敗北した(泣)。案の定、PK戦だったが……。

ス「ジダン、頭突きのおかげでますます萌え度が上がりましたね」
ド「どうして?」
ス「『口が達者』より『手が出ちゃう』ほうが好感が持てるから。黙って無視するほうが大人だろうけど『テロリストって言われる人たちの痛みをアピールする』のにこれ以上の機会はなかったと思うよ」

 野球でも乱闘シーンに目が無い腐女子の間では「さすがだ、ジダン。これでもう一生、世界中の人たちから忘れられないよ」との声が。マテラッツィの口八丁、手八丁のおかげでイタリアは勝利を獲得できたが、腐女子の、いや世界の人たちの心は獲得できなかったと言えよう。
 
 思えばナカタも早くからイタリアへ移籍し、外人選手と日本人離れした流暢なイタリア語会話を交わし、世間を圧倒した。そう言えばWBCのイチローも腐女子に「キャラ変わった?」と言わせるほど、インタビューでは能弁だった。さすが今年の4月から1年間TVトーク番組持つだけのことはある(注12)。

 これからの日本人男性はますます個人主義になり、自己表現がうまく、外国人とも臆せずコミュニケーションできるようになっていくのだろう。でもそういうタイプに腐女子は萌えない。

 スラッシュ君はアニメ『N・H・Kにようこそ!』に出てきた隣の山崎クン(注13)のセリフを思い出した。

「ギャルゲーユーザーは何を求めていると思います? 現実逃避ですよ。なぜなら現実世界には辛い出来事が溢れてるからです。われわれ男子をバカにする女子。われわれ男子を軽んじる女子。コンビニの店長と二股かけやがったあのクソ女! ボクの青春を弄んだ短大生! 現実の女はロクなもんじゃありません! だからこそ、ギャルゲーに登場する女の子たちはどこまでも都合のいい存在でなければならないのです! 理由もなく主人公を好きになる...純粋な好意のみで主人公に近づいてくる。下心もなく決して主人公を裏切らない。そのような、現実には決して存在しえないキャラクターをわれわれクリエイターは創造しなければなりません!」

 腐女子も同じこと。

「やおい女のスポーツ萌えって何だと思います? 自己保身など考えず、友情やチームのために自分を犠牲にし、自分をうまく表現できなくても、みんなを非難せず、自分が目立てなくても、決して腐ることなく、黙って自分の任を果たし、同胞への口撃には腕力で答え、そのために罰を受けても、将来を棒に振っても構わない……そんな国際的日本人男性なんて現実にはいませんよ! だからこそ私たちは見たいんです。そんな超一流の萌え選手を。一丸となる萌えチームを監督には作ってほしいし、そういうチームを作れる萌え監督をチェアマンには選んで(選べなければ潔く辞めて)ほしいんです!」

 昔はよく「家はフランス、食事は中華、妻にするなら日本人」と言われたものだが「やおい読むなら日本の男」っていうのも近い将来は死語になるのかもしれない。これからの日本人男性として望ましい姿はナカタやイチローのほうなんだろうけど……。

(次号へ続く)

注1:学術産業都市シュツッツガルトの大学に通うエリート学生。スカパーのワールドカップ番組(注2)でシュツッツガルト紹介コーナーを見た家人は「(ベンツやポルシェの本社があり、屋根がオレンジ色に統一された中世風の街並みの上に、スパやワイナリーまであるいいところなのに)何が悲しくて日本のやおい漫画を読まなきゃいけないんだ?」と嘆いていた。ドイツ学生は「オレンジ色以外の屋根なんかあるんですか? 冗談ですよ(笑)。でも街が綺麗すぎて外国旅行に行く気が失せるのは確かです」と胸を張っていた(語学オタクで、日本語はもちろん、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、ポルトガル語ができ、ラテン語の素養もあるマルチリンガルなのに……)。早くからゴミの分別にウルサイことで有名なドイツだが、ふだんからディスポーザー(キッチンシンクに付いた、生ゴミを粉砕して装置下水に流す装置)使い放題のハワイでは、下水管の破裂により大量の未処理の下水が溢れ、人食いバクテリアが海に流れ込み、ワイキキが遊泳禁止になった(日本の旅行代理店は知らんぷりをしていたが、地元の人は今でも怖がって泳がない)。泳げないハワイよりはシュツッツガルトのほうがずっといい。(


  注2:ワールドカップ放映は地上波、NHKBS、スカパーと3種類放送されていたが、スラッシュ君家ではウザい芸能人ゲストが出てこない、腐女子が喜ぶ発言率NO.1の倉敷アナ(注3)が聞けるということで、録画であってもスカパーをチョイス。毎回、試合が行われるご当地紹介コーナーが挟まるのも楽しみの一つだった。(


注3:フィーゴのことを「スペインのゲイ人気投票第1位」と紹介したり、「スタジアムでは選手の太ももを見る」発言などが有名。(


注4:2005年の第78回アカデミー賞授賞式のオープニングで司会のコメディアン、ジョン・スチュアートがその年のゴールデン・グローブ賞を総なめにした映画『ブロークバック・マウンティン』に触れ、「西部劇のイメージを汚した」とスクリーンに昔の西部劇映画のニュー・シネマ・パラダイス風コラージュ(カウボーイが脱ぐ、銃を愛でる、ウインクする、意味深なセリフを言う、目を覚ますと、横でカウボーイが微笑む、馬の尻を撫でるetc……)を流した。結果、ゴールデン・グローブではドラマ部門の作品賞、監督賞、脚本賞、主題歌賞の最多4部門で受賞した「ブロークバック・マウンテン」はアカデミー賞では監督賞、脚色賞、作曲賞の3賞にとどまり、最優秀作品賞はハリウッド身内映画の『クラッシュ』が受賞、ゲイの方々の反発を呼んだ。もっとも『クラッシュ』のポール・ハギスはスラッシュネタで有名な『騎馬警官』の脚本・監督だからスラッシュ君も好きなんだけど。(


注5:ドイツ学生によるとワールドカップが近くなると、ドイツではものすごい数のブラジルサッカースラッシュがじゃんじゃん書かれたそうだ。かなり特殊な趣味だと思ったが、シュツッツガルトのGK、ティモ・ヒルデブラントのことを「(いい男なんで)日本でも人気」と言ったところ、「そう? んー。まあ、そうですね……。でも、もっとイイ男はたくさんいますけど」と言うので日本人の趣味とは随分違うのかもしれない。(


注6:WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の時は、職場のオヤジどもがいかにハシャいでいるかメールで報告し合ったものだ。デビッドソン審判の八百長判定にも腐らなかった王ジャパン。かえって団結力を高めたようで、日曜日は量販店のテレビ前にオヤジが人だかっていた。(


注7:田中芳樹原作の小説『銀河英雄伝説』に出てくる天才的軍師の渾名。歴史家になりたかったが、家庭の事情で学費が安い軍学校に入り、不本意ながらも軍人に。オーストラリア戦は日本のテレビ放送時間を早めるために電通が試合開始時刻を変更(日本時間の午前4時=>午後10時)。現地時間で午後3時という猛暑の中行うことになってしまった。日本は前半1点リードするものの、魔術師ヒディング監督が後半8分で投入したティム・ケイヒルが2点、後半29分に投入したジョン・アロイジがダメ押しの3点目をあげ、逆転負けした。試合終了前わずか10分の間に3点入れられてしまった。「孫子の兵法」の五事のうちの一つ、「天」(天意)を巧みに利用したわけだ。ちなみにクロアチア戦は午前1時から午後10時に変更された。(


注8:下手投げでドカベン里中のモデルとされた阪急の足立光宏投手のこと。日本シリーズに強く、日本シリーズの通算成績は9勝5敗であった。後楽園に近い高校に通っていたスラッシュ君は1976年の日本シリーズ第7戦でミカンの皮を投げつけられた上田監督の姿をよく覚えている。当時イケメンの小林繁投手がいた巨人が負けたのが悔しかったが、オヤジスキーな今なら間違いなく足立ファンになっていたことだろう。(

 
注9:男もそれは同じらしく、涼宮ハルヒの憂鬱の同人誌でも無口でいつも本を読んでいる綾波系キャラ、長門有希さんが一番人気だそうだ。(


注10:例えばこんなタレコミメールが……「今度の監督誰ですかねー? なんかこないだJUNKスポーツにでてたダバディがトルシエの裏話してたんですが、自分(ダバ)に電話かかってくると、トルシエが『誰から?』『女性?』『何だって?』としつこく聞きまくり、教えないと不機嫌になる、みたいなことゆってましたよ。でダバディ、誰も言ってないのに、『いえ、彼もちろん結婚してますしー、ぼくもー』って、なんだそりゃ。でも、ジーコじゃぜんぜんこんなんなかったですもんねー」(


注11:家人に聞いたところ「日本サッカー協会の会長は一般の人が立候補できるものじゃないんだから、そもそも皮肉なんだってば」と言われた。会長になるには協会の役員になっていなければならないそうだが、役員選挙は派閥で決まるそう。パリ・サン・ジェルマンの創始者だったおじいさま系の権力で何とかならんか!(


注12:『ICHIRO MONDOW』というベタなタイトルで関西読売テレビで毎週土曜日に放送。(

 
注13:滝本竜彦作の小説が原作のアニメ。ひきこもり男の佐藤達広の部屋に突然、美少女中原岬がやってきて「あなたは私たちの(脱ひきこもり)プロジェクトに選ばれました!」と宣言する。佐藤は「自分はクリエイターだ」と強がりを言ってしまい、アニメ専門学校に通う後輩の山崎にゲーム制作のイロハを教わる。山崎は佐藤を表に連れ出し、秋葉原を案内し、一攫千金がねらえるギャルゲー制作を教えるなど手取り足取り佐藤を指導する……。果たして佐藤は山崎こそが自分にとっての青い鳥だということにいつ気づくのだろうか?(笑)(


[文:スラッシュ君 060819]

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